月の下で


どうしても伝えたい事を 伝える術を探している

限られた繋がりの中で 限られた言葉の中で

 

分かり合う事ができなくて 信じる事に疲れた後

人知れず痩せていく心は 仮面を被る

 

もう一度 思い出して 幼い恋心

優しさやぬくもりを信じていた頃を

 

月の下で 何を想っていたの?

月の下で 何故泣いたの?

独りきりで痛みを抱えたあの日の面影を背に

 

何故か 心を閉ざしていく程に

誰か そばにいてほしくて

月の下で 静かな夜空に願っても

風に消えるだけ

 

人を信じて生きる程に 疑う事を覚えていく

罪を背負い 涙を枯らして 優しさを知る

 

もう二度と戻れない 儚い夢の跡

プライドや自負心に溺れていた過去よ

 

月の下で 何を歌っていたの?

月の下で 何故怯えてるの?

独り善がり

目の前の愛で 遠くの憎を閉じ込めた

 

時に愛は罪を犯し

時に罪は愛を飲み込む

月の下で 黒い夜空を仰いでも

朝を待つだけ

 

本音だけじゃ人は分かり合えず

それぞれが背を向けて 生きているんだ

 

月の下で、何を想っていたの?

月の下で 何故泣いたの?

独りきりで痛みを抱えたあの日の面影を背に

 

「心が壊れないように、振り向かずに、ただ逃げていたんだ」

 

月は今日も夜空に輝けど

雲に消えるだけ

  

同じ空を君も見ているの?

同じ涙を君も流したの…?